2012年9月12日水曜日

文字のない手紙


一昨日、実家にふらりと帰った。

その日は、2年前に旅立った
うちのじいちゃんの誕生日でもありました。

毎晩かかさず晩酌をしとったじいちゃんと
仏壇にて、ビールで乾杯した。

生きとるとき、ゆ〜っくりしゃべることは
あんまりなかったけど
じいちゃんの笑顔好きやったな〜

ふと想った

晩酌が日課
機嫌がいいと歌い出す
旅行が好き
犬が好き
ジムニー好き
イビキがうるさい
自由人


うーん、、、

あれ?


今になってみるとワタシ、
じいちゃんと共通点いっぱいやん。。






その日、帰る前によった
伊勢に住む母方のじいちゃんともゆっくり話した。

なにを話したか、というと

んんー、、
なんやったかな。。

んんー。。
そういや記憶力の話もしたし

あとハンコや絵の話
右脳の話

それから写真の話、、、




持ってった黒糖棒を

「まぁおひとつどうぞ」

「あぁ、どうもどうも、、まぁどうぞどうぞ」

「ははは、こりゃどうも」

とふたりでふざけ合いながら勧め合って
ぱくぱくと食べて

しゃべって、食べて、しゃべって、お茶飲んで、、



伊勢のじいちゃんと話すときはいつもそう
時間を忘れて話す。



話の途中で、

「手紙を出すやったけど、来るって聞いたから出さずに置いといたんや」
と、手渡しで封筒をもらった。

はさみで開けて

出てきた紙は新聞の切り抜き
イラストが書いてある

「絵はチィホちゃんの方が上手い。
けど、見せ方はこの人の方が上手。」

と、じいちゃん。
私が趣味で描く絵をじいちゃんはいつも褒めてくれる。


そう、そんで、確かに、
そのイラストは、雑いくせにすごく魅力的やった。

小船に乗っとる、傘をかぶったふたりの人
岸に茂る、よく分からん草

誰でも描けそうやけど、バランスが絶妙。


それから、見た人を「ん?」と思わせる
想像をかきたてる何かがある。

上手い、より必要なもの、大事な物、、

なるほどなぁ…
と、じいちゃんの言いたいことが
なんとなく分かった気がする。



するとじいちゃん、
「あれ?もう一枚紙入っとるやろ?」と封筒をガサゴソ

入ってない

「そうか、一筆添えたつもりやったけど、
あぁ、その時ことばが浮かばんかったで書かんかったやなぁ。」

ですと。



手渡しじゃなく、そのまま手紙で届いとったら、
一切文章のない 一枚のイラストのみを見て

私はじいちゃんの想いを読み取れたかなぁ。

どうやろか。





会いに行ってよかったなぁ。




家族を想う時間は
心をあったかくしてくれる。

ありがとう。

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